CO2→CO変換ケミカルルーピング技術のスケールアップとCCUへの適用に向けた実証要件適合性等調査を開始

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2024年2月9日
積水化学工業株式会社

  積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太、以下「当社」)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、「実証要件適合性等調査/鉄鋼分野のカーボンニュートラルを実現するためのCO2→CO変換ケミカルルーピング技術実証研究(EU)」 (以下、本NEDO事業)を、2023年11月から開始しました。

1.背景

  当社はこれまで、CO2を高い転化率でCOに変換する積水化学独自のCO2→CO変換ケミカルルーピング技術の開発を進めてきました。2021年よりArcelorMittal, S.A.(CEO:Aditya Mittal、以下「アルセロール・ミタル」)のスペイン・アストゥリアス工場で、製鉄の際に排出される実ガスを用いた試験を進め、昨年6月にはCO2転化率90%および水素転化率75%という成果を収めました※1
  当初の狙いよりもさらにCO2転化率および水素転化率が向上していることから、商用化に向けたスケールアップを視野に新たなプロジェクトを検討してきましたが、この度、NEDOの「2023年度「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業(実証要件適合性等調査)」第2回公募」に応募し、採択されました。
※1:この成果は、NEDO 「クリーンエネルギー分野における革新的技術の国際共同研究開発事業(JPNP20005)」の結果得られたものです。


ケミカルピーリング

2.新プロジェクトの概要

  アルセロール・ミタルの製鉄所(実証場所は今後数か月の間に決定予定)から排出されるCO2を、当社のCO2→CO変換ケミカルルーピング技術を用いてCOに変換し、高炉での還元剤としての直接活用、および国内外のパートナーが保有する技術も活用したCOのさらなる変換など、さまざまなCOの用途展開(CCU)について技術の実現性および経済性の検討を進め、CO2から、有望なCOの用途展開までの一連の技術実証を行います。
  なお、実証におけるCO2変換量のスケールは、これまでのスペイン・アストゥリアス工場における試験時の1kg/日から10トン/日にスケールアップをする予定です。
  今回の実証要件適合性等調査の期間は、2023年11月~2024年3月の予定です。本調査ではEUにおけるエネルギー事情、GHG削減に関する政策、現地実証に向けた法規制・環境およびアルセロール・ミタルの製鉄所ならびに周辺環境、立地、供給インフラなどの情報収集を行い、CO2→CO変換ケミカルルーピング技術のスケールアップとCCUの技術実証に向けた取り組みを開始します。

  当社では、本技術の商用化に向けた取り組みを進め、2030年度の事業化や新たな資源循環システムの構築を目指し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。

【ご参考】過去の関連プレスリリース

■積水化学とArcelorMittalのカーボン・リサイクルに関するパートナーシップについて (2021年7月20日発表)
https://www.sekisui.co.jp/news/2021/1364769_37322.html

■積水化学とArcelorMittalのカーボン・リサイクルプロジェクト、前倒しで目標達成 (2023年6月14日)
https://www.sekisui.co.jp/news/2023/1388996_40075.html


<本件に関するお問い合わせ先>

    報道関係の皆様
      コーポレートコミュニケーション部
          E-mail:kouhou@sekisui.com

    報道関係以外のお客様
      R&Dセンター
      先進技術研究所 次世代技術開発センター グリーンケミストリープロジェクト
          E-mail:gcp_press@sekisui.com