モビリティへの取り組み人にも地球にもやさしい、未来の移動

移動の変革期がやってきた

今、私たちを取り巻く「移動」の環境は変わろうとしています。その最も大きな理由が世界的なカーボンニュートラル達成の潮流。さまざまなモビリティはCO2排出量という新しいものさしで、そのエネルギーの原材料に至るまでを、評価されることになります。また、いまだゼロにならない交通事故も、移動に横たわる未解決の課題のひとつ。そんな移動にまつわる今と未来に向けて、新しいテクノロジーが求められています。

交通事故

※警察庁「令和3年中の交通事故死者数について」掲載のグラフをもとに当社作成

2021年度の交通事故死者数は2,636人。ここ30年で死者数は減少傾向にあるものの、いまだ多くの命が交通事故によって失われている事実があります。公共の交通機関が充実していない地域では、自動車は生活になくてはならないもの。そんな自動車での移動を安全・安心なものにするため、わたしたちに何ができるでしょうか。


モビリティによる二酸化炭素の排出

※温室効果ガスインベントリオフィス:「日本の温室効果ガス排出量データ」、国土交通省:「自動車輸送統計」、「航空輸送統計」、「鉄道輸送統計」より、国土交通省環境政策課作成

日本のCO2排出量の18.6%を占める(2019年度)運輸部門。それぞれのモビリティの環境負荷をいかにして低減していくかが課題になっています。乗用車やバスの電動化が求められるほか、航空機などの大型輸送機関もまたCO2排出とどのように向き合うかが問われています。

今も、これからも、移動を安心で快適に

もしかしたら交通事故と遭遇してしまうかもしれない。自分がどこかへ出かけることでCO2を排出してしまうかもしれない。そんなさまざまな不安が少なくなることで、移動はもっと自由で快適なものになっていくはず。そんなこれからの移動を支えるために、積水化学の技術が使われています。

SEKISUI’s Innovation

クルマは移動手段から快適な居場所へ

中間膜・放熱材・発泡体(フォーム)

中間膜というものをご存知でしょうか。クルマに使用される2枚のガラスの間に挟み込まれた透明なフィルム。例えば、交通事故が起きたときでも、ガラスの破片が飛び散ってしまうのを防ぎ、私たちの安全を守ってくれます。また、中間膜には車内を快適に保つ機能として、騒音を抑えたり、紫外線や肌をジリジリと刺激して熱さを引き起こす赤外線をブロックする製品も。

また、ADAS(先進運転システム)による安心・安全な自動運転時代に向けては、積水化学の放熱材がAIやIoTの制御をサポートし、ヘッドアップディスプレイ向け中間膜はフロントガラスに映す画像をクリアに、そして光透過型発泡体が近未来の快適な内装を実現します。

交通事故への不安が低減され、車内がより快適な環境になっていく。その過程で、自動車はただの交通手段から、人々の大切な居場所へ変わっていくでしょう。

航空機を軽く、そしてエコに

CFRP

中長距離の移動を担う航空機。約150トンと言われる機体に乗客や貨物を載せて空を飛ぶためには、多くの燃料を必要とします。CO2を排出する燃料の使用を抑えるため、効果的な方法の1つが「機体を軽くする」こと。

積水化学グループの航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は炭素繊維と樹脂を組み合わせた複合材料です。軽く、丈夫なため、飛行機の機体に使用することで、航行に必要な燃料、さらにはCO2排出量の削減につながっていくことが期待されています。

豊かな暮らしの延長にある、移動の時間

地球環境も、交通事故も、気にすることなく好きな場所へ行くことのできる未来。その移動は、きっと自宅と同じようにリラックスできる時間となり、私たちの暮らしと地続きになっていくでしょう。ずっと続く安心・快適な移動。積水化学の技術の一つひとつが、移動の未来につながっていくことを願っています。

参考:
警察庁『令和3年中の交通事故者数について』
国土交通省『運輸部門における二酸化炭素排出量』