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2022年度第1四半期決算説明会質疑応答(2022年07月28日開催)

2022年07月29日更新

高機能プラスチックスカンパニーについて

  • 全体の上期営業利益は、数量構成で伸びていない分析をされている一方で、戦略3分野の売上高は増える見通しとなっている。どの程度が売値の改善によるものか?

    (上脇)前年対比で見ると、エレクトロニクス分野の伸長の約2割が売値改善によるものであるが、全体としては為替の影響が大きい。モビリティ分野も同様で売値改善で約2割である。住インフラ材分野は売値改善が売上伸長分の約8割を占める。

高機能プラスチックスカンパニー・エレクトロニクス分野について

  • 液晶向けの売上高は、1Qは大きな実績となった。一般的には、在庫調整が始まりかけていたと思われるが、数量はどうだったのか?また、2Qの見通しはどうか?

    (上脇)1Qは中国で発生したロックダウンを前に、顧客による在庫確保の動きがあったものと考えている。現時点では市中在庫がかなりふくらんでいると見ており、2Qは反動減を見込んでいる。

  • 非液晶向けの売上高は、1Qから2Qへ大きく伸びる見通しとなっている。主にどんな製品が伸びるのか?

    (岡野)半導体関連工程材の保護フィルムや、スマホの中に使われる部材保護用のフォームシートなどが、シェアが拡大して伸長すると見ている。

  • 半導体関連の市場環境の変化はないか?

    (上脇)半導体関連部材に関しては、現時点では全体としては堅調が続いている。

  • この分野での値上げは、何に対するものか?

    (岡野)ポリオレフィン関連のテープやフィルム製品については、原料が高騰していることから、売値改善の交渉をしている。

高機能プラスチックスカンパニー・モビリティ分野について

  • ヘッドアップディスプレイ(HUD)のフルカラー化が進んでいる。HUD膜は新しい製品での対応となるか?

    (岡野)HUDの輝度やカラーはプロジェクタ側の機能向上によるものであり、当社HUD膜は従来からの技術で対応できている。HUD採用車種が増加することは、当社としてもポジティブである。

  • Aerospace社の現状と見通しはどうか?

    (上脇)国内線の機種は一定の回復をしているが、当社の主力納入機種である国際線主力機種は、未だ生産再開に至っておらず、現時点では回復を見通すことはできない。一方、非航空機分野はメディカル、ドローン、エンジンなどの分野で順調に開拓が進捗している。

高機能プラスチックスカンパニー・住インフラ材分野について

  • この分野での値上げは、かなり強い値が示されている。塩素化塩ビによるものか?また、その市況はどうか?

    (上脇)住インフラ分野での売値改善は塩素化塩ビに限らず全ての製品で進めている。当社の塩素化塩ビの最大需要地であるインドでは、高機能な建材を作ることができる塩素化塩ビの需要が非常に堅調に推移しており、原料高騰分を売値へ転嫁する活動は順調に進んでいる。

住宅カンパニーについて

  • 新築住宅受注へのCOVID-19再拡大の影響を心配している。6月実績が弱かったが、2Qの見通しはどうか?

    (上脇)新築住宅受注の6月実績は前年対比マイナスとなったが、これは5月に前倒しで受注獲得したことによる一過性な現象であり、7月以降は再び計画通り進捗するものと考えている。

  • 営業利益が1Qに少し前倒しになり、2Qが減益に見えている。これは平準化を進めているからと考えてよいか?

    (上脇)平準化の取り組みが計画以上に進んだ効果によるものであり、今後も継続すると考えている。受注後、お客様への引渡しのタイミングを迎えて売上となるが、従来、住宅事業は2Qでの売上が多かった。それを前倒しして全体のピークを下げることで、工場の生産性や輸送効率などにも寄与する。上期全体ではほぼ計画通りとしている。

  • 住宅の値上げの状況はどうか?

    (上脇)価格改定については、需要に影響を及ぼさないように慎重に行うこととしている。

メディカル事業について

  • 米国COVID-19検査キット承認遅延の背景と、今後の見通しはどうか?

    (上脇)米国当局へは緊急使用許可という制度で申請をしたが、COVID-19の状況が落ち着いてくる中で、審査が通常に戻りつつあり承認が下りづらくなっているということが背景にある。もう一つの要因として、オミクロン株の陽性検体の確保が充分でなかったことがあげられる。今後、COVID-19とインフルエンザ両方の検査ができるコンボキットを優先的に進め、下期からの収益に貢献させたいと考えている。

その他

  • バランスシート上の在庫が増えている。この要因は何か?また、固定費の削減は在庫増によるものか?

    (上脇)住宅の建売や、まちづくり事業にともなう土地の仕入れが増えたことと、原料価格等が高騰していることによって原材料在庫金額が増えたことによるところが大きい。固定費の削減は在庫増によるものではなく、実質的に削減が進んでいる。