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【News】「健常者と障害者で壁がない世界を作りたい」。“やればできる”の信念で未来へ/パラ陸上 近藤元

April 25, 2024

「健常者と障害者で壁がない世界を作りたい」。“やればできる”の信念で未来へ/パラ陸上 近藤元

100m・200m・走幅跳で5月の神戸2024世界パラ陸上のメダル、パリ2024パラリンピック出場を目指す、パラアスリートの近藤元(はじめ)選手が2024年4月、積水化学グループに入社しました。2020年のバイク事故で右脚を失い、重ねるリハビリの中で絶望を感じるも、「自分にもできる」と気持ちを切り替えた彼は、退院後にすぐパラ陸上をスタートしました。

それから4年。日本代表にまでなった彼は、「健常者と障害者で壁のない世界を作りたい」と未来への歩みを進めていきます。


「健常者と障害者で壁がない世界を作りたい」。“やればできる”の信念で未来へ/パラ陸上 近藤元

◆「何にもできない」から「自分にできないことはない」へ


子どもの頃から「やればできる」という信念で、人生を積み重ねてきた近藤選手。しかし、20歳で右脚を失った当初、元々の自信満々な姿勢はなくなっていました。

「義足になったら、もう健常者の動きはできない。脚がなくなり、もう何もできないと思った時期もありました。でも、パラアスリートのトップ選手の動きを見たら、皆さん数多くのことができている。だったら、“自分にできないことはない”と思えた。最初からできないと考えるより、“何でもできる”と思いながら生きた方が可能性も広がると思ったんです」

怪我をポジティブに捉えたことで、退院後にはすぐパラ陸上に取り組みます。その途上で、周囲の厚いサポートに助けられなければ、「選手としてここまで成長できなかった」と彼は言います。

「第1にパラ陸上の山本篤さんを紹介してくださった、摂南大学陸上競技部の近藤潤監督の存在がなければ何も始まりませんでした。当時、山本さんから義足のブレードを貸してもらえなければ、すんなり陸上を始められなかったし、コーチもいなければスムーズにレベルも上がらなかった。大学の環境、周囲のサポート、本当に皆さんの支えがあって自分があります」

たくさんの協力者から力をもらい、日本トップレベルのパラアスリートに成長した近藤選手。特に、記憶に残っているのは2023年7月のパリ世界パラ陸上です。

「陸上競技に復帰した1年目からどんどん記録も上がり、2023年が勝負の年になりました。7月パリでの世界パラ陸上出場をずっと目標にしていて、参加権獲得に必要な標準記録もギリギリで突破できた。初めての世界大会挑戦が個人的には記憶に残っています」

支えてくれる多くの方への想いを、結果にして表現できた。「結果は7位入賞でしたが、その舞台に立てたことが嬉しかった」と近藤選手は話します。


「健常者と障害者で壁がない世界を作りたい」。“やればできる”の信念で未来へ/パラ陸上 近藤元

◆金メダルの獲得、世界記録は通過点。壁がない世界を作りたい


これから先も、近藤選手が世界を目指して挑戦し続けることに、変わりはありません。
「世界パラ陸上とパラリンピックでメダルを獲るのが、まず目標です。その先には、金メダルの獲得、世界記録を出すところまで自身の目標として置いています。でも、競技で結果を出すことは通過点。その先には、健常者と障害者の間に何も壁がない世界を作りたい。そんな未来になればいいなと思っています」

自身も退院してから日常生活を過ごす上で、周りの視線を気にして、外に出たくなくなった。そんな体験を経たことで、「自分がテレビなどのメディアに出て、見慣れない義足を知ってもらう機会を増やすことで、みんなの意識を変えたい。その上でパラ陸上もメジャーなスポーツにしたい」と、近藤選手は考えています。

「パラ陸上をメジャーにすることで、同じ境遇の方も生きやすい世界になればと思っています。義足もまだまだ高く、揃えるには100万円以上するので、走りたくても走れない人もいる。自身の人気や知名度を上げて皆さんに見ていただいて、将来的には義足の貸し出しなど、より多くの人がパラ陸上に取り組める環境を整えることで、世の中に貢献していきたいと思っています」

「健常者と障害者で壁がない世界を作りたい」。“やればできる”の信念で未来へ/パラ陸上 近藤元

今は走幅跳での世界記録更新を視野に入れ、100m・200mも助走スピードをあげるなど、課題に対して向き合っているところ。その鍛錬の中で積水化学の一員となれたことは、自身の競技・精神面向上につながると本人は話します。

「積水化学の女子陸上競技部には長距離で強い選手がたくさんいますし、その方々に負けないような競技の取り組み方や実績を残していきたいです。パラ陸上を見たことがない方々も多いと思うので、まずは積水化学グループの従業員の皆さんに僕をきっかけに興味を持っていただけたら嬉しいし、そのためには自分自身が応援していただけるような人間にならないとダメだと考えています。人間的な成長と結果に結び付けて、皆さんに応援していただきたいと思っています」

今年5月の神戸、その先のパリへ。自分は「なんでもできる」という強い想いが、近藤選手を、より広い世界へ導いていきます。




■関連リンク
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https://www.instagram.com/hajime.0907
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