中国における今後の環境への取り組みおよび事業展開について

2011年6月1日
積水化学工業株式会社

 積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸 修史、以下積水化学)は、中国において、環境貢献製品の拡販や自然保護活動の実施、生産拠点のゼロエミッション化などを通じて、環境への取り組みを強化します。また、これまで中国において展開してきた水インフラ、自動車、メディカルの分野のさらなる拡大により、中国社会への貢献を目指します。

 

1.背景

 積水化学は、日本で初めてプラスチック自動射出成型事業をおこなう会社として、1947年に設立されました。現在では、住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの3つのカンパニーからなり、日本国外に220拠点を有する企業グループとなっています。
 中国においては、これまで水インフラ、自動車、メディカルなどの分野を中心に事業を展開しており、2010年度の売上高は325億円でした。
 また、環境の面では、各種の環境関連イベントの協賛をはじめ、2009年3月から玉屏山(蘇州)にて、日本国外で初めてとなる植林保全活動を中国国内の複数のグループ会社合同で行うなど、積極的な活動をしてきました。

 

2.中国における事業展開

 積水化学は、2005年4月に永昌積水複合材料有限公司(旧社名:永昌複合材料股份有限公司)に資本参加し、中国で強化プラスチック複合管をはじめとする水インフラ市場に進出しました。以来、中国国内のみならず中央アジアにおいても受注を獲得するなど、海外水インフラ事業の主要拠点となっています。
 2004年より展開してきた合わせガラス用中間膜事業では、2009年10月に蘇州の生産拠点において、第2系列を増設し、急激に成長する需要に対応してきました。
 また、メディカル分野では、真空採血管の製造・販売を行ってきた積水医療科技(中国)有限公司(※旧社名:北京積水創格医療科技有限公司)と、検査薬において現地販売代理店の活動支援を担ってきた上海達伊医智商貿有限公司の2社を2010年10月に統合し、中国の主要拠点と位置付けました。

 

3.中国における環境貢献

 積水化学では、2030年に目指すべき「環境フロンティア社会」に対する長期ビジョンを策定しました。この考え方に基づき、新環境中期計画「環境トップランナープラン・SHINKA!」(2009~2013)を策定しています。

 ■2030年ビジョン「Sekisui Eco-Frontier2030」の目指す姿

  ①地球温暖化防止/エネルギー

カーボンマイナスの実現

  ②資源/マテリアル

資源循環の仕組みづくりに貢献

  ③生物多様性

事業活動のあらゆる側面での生物多様性への配慮


 中国においては、以下の活動を行うことにより、環境への貢献を目指します。
  ①環境貢献製品の拡販
  ②2011年に北京周辺で自然保護活動を開始(候補地選定中)
  ③ISO14001取得済みの5拠点において、2013年までにゼロエミッション化を推進
   [※永昌積水複合材料、積水(青島)塑膠、無錫積菱塑料、積水中間膜(蘇州)、積水高機能包装(廊坊)の5拠点]

 

4.今後の事業展開

 水インフラ事業では、製品の単品販売から、設計・施工・アフターメンテナンスなど周辺の領域に事業を広げる、バリューチェーンビジネスの拡大を図ります。これにより、2015年には 「中国水環境ソリューションNo.1」の会社となることを目指します。
 車両分野においては、自動車向けの合わせガラス用中間膜について、遮音、遮熱、遮音・遮熱など高機能中間膜の拡販を目指します。近年、中国でも環境意識の向上から自動車のエコ化が進んでいるため、その需要を着実に取り込んでいきます。
 また、メディカル分野においては、統合した新会社にて検査薬の輸入・販売を強化。将来的な検査薬の製造開始を目指して、諸手続きを進めていきます。


 <ご参考>

 
新環境中期計画(2009年~2013年度)「環境トップランナープラン・SHINKA!」の概要
 

取り組みの考え方

主要取り組み項目と2013年度の目標・目指すレベル

 製品を通じた貢献

 環境貢献製品の売上拡大
 2013年度目標 売上高比率 40%

 事業活動での環境負荷低減

 温室効果ガス排出量の削減 ~全事業領域での削減~
 生産:20%、オフィス:10%、輸送:5%  (1990年度比)

 廃棄物削減 ~全事業領域での削減、ゼロエミッションの拡大~
 生産:原単位40%削減、オフィス:コピー用紙20%削減(2007年度比)
 そのほか、住宅新築、住宅解体・増改築でも目標を設定

 生物多様性への配慮

 生物多様性保全の取り組み
 事業活動や商品・サービスによる生態系への影響を最小化
 自然保護活動や森林保全活動により生態系の保全に貢献


以上

 

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