積水化学工業株式会社(代表取締役社長:髙下貞二、以下「当社」)は今般、欧州の合わせガラス用中間膜の製膜工場(オランダ・ルールモンド市)に「新製膜ライン」を、原料樹脂工場(オランダ・ヘレーン市)に「新樹脂ライン」を増設することを決定しました。これらの生産能力増強にかかる投資額は約200億円で、新製膜ラインは2019年度下期、新樹脂ラインは2020年度上期の稼動を予定しています。また、新製膜ラインでは、速度などの情報をフロントガラスに投影するヘッドアップディスプレイ(HUD)用くさび形中間膜を中心に生産する計画です。
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製膜工場(オランダ・ルールモンド市) |
原料樹脂工場(オランダ・ヘレーン市) |
1.背景・目的
当社の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:加藤敬太)は、自動車や建築物で使用される合わせガラス用中間膜の製造・販売をグローバルに展開しており、自動車向けの中間膜市場では世界トップシェア(2016年度、当社推測)を誇ります。
世界の自動車生産台数は今後年率2%程度で成長し、2021年には105百万台(2016年94百万台)*に達すると見込んでいます。加えて、合わせガラス用中間膜は、フロントガラスのみならずフロントサイドやルーフなど使用される部位が広がるとともに、補修需要も拡大していることから、自動車生産台数を上回る需要拡大を見込んでいます。さらに、安全性、快適性、省エネ性など自動車性能に対するニーズの拡大を受けて、遮音や遮熱、HUD対応など高い機能を付加した中間膜については、年率5%以上の高い成長率で推移すると考えています。特にHUD(ダイレクトタイプ)は、2020年に2017年比で約2倍の年間1,000万台程度*の新車に採用されると見込んでいます。
このようなニーズを背景に、当社グループは、2015年4月に中国工場(蘇州市)で、そして今月メキシコ工場(モレロス州)で通常製品よりも遮音性の高い中間膜の本格的な生産を開始しました。そして今般、欧州にHUD向けくさび形中間膜の生産ラインを増設するとともに、これらの製膜ライン増強と今後の中間膜市場拡大をふまえ、中間膜の原料であるポリビニルブチラール樹脂(以下「PVB樹脂」)について、欧州でPVB樹脂の生産ラインを増設することを決定しました。今後も、成長を続ける自動車産業に対し貢献すべく、高機能膜の開発と拡販をより積極的に進め、中間膜事業の拡大を図っていきます。
*各種資料を基に当社推測。
2.生産能力を増強する欧州拠点の概要
1)PVB樹脂工場 |
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①所在地 |
Chemelot SITE, Burgemeester Lemmensstreet 350, 6163JT GELEEN 3-kruiken GATE 3, The Netherlands |
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②生産品目 |
PVB樹脂 |
③生産能力増強 |
従来比1.7倍の生産能力増強 |
2)製膜工場 |
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①所在地 |
Metaalweg 5, Roermond 6045, The Netherlands |
②生産品目 |
合わせガラス用中間膜(通常中間膜、遮音中間膜、くさび形中間膜(増設後)) |
③生産能力増強 |
自動車700万台分/年の生産能力増強 |
※なお、上記両工場とも、中間膜の製造・販売を行う当社グループ会社のSEKISUI S-LEC B.V.(当社100%出資、社長:青島 嘉男、本社所在地は上記2.2)①に同じ)が運営しています。
ご参考:合わせガラス用中間膜、HUD用くさび形中間膜について
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ご参考:当社グループの中間膜の製膜・原料(PVB樹脂)生産拠点
当社は、「s-lecTM(エスレック)」ブランドで、グローバルに中間膜事業を展開しています。
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工場名 |
場所 |
稼働時期 |
生産品 |
製 膜 |
滋賀水口工場 |
滋賀県甲賀市 |
1960年 |
通常膜、遮音膜、遮熱膜、くさび膜 |
メキシコ工場 |
メキシコ・モレロス州 |
1974年 |
通常膜、遮音膜 |
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オランダ工場 |
オランダ・ルールモンド市 |
1997年 |
通常膜、遮音膜、くさび膜(新製膜ライン) |
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タイ工場 |
タイ・ラヨン県 |
2002年 |
通常膜、遮熱膜 |
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中国工場 |
中国・江蘇省蘇州市 |
2004年 |
通常膜、遮音膜 |
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北米工場 |
アメリカ・ケンタッキー州 |
2007年 |
通常膜、遮音膜、くさび膜 |
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原 |
滋賀水口工場 |
滋賀県甲賀市 |
1960年 |
PVB樹脂 |
オランダ工場 |
オランダ・ヘレーン市 |
2007年 |
PVB樹脂 |