セキスイオアシスセンターが開業10年目を迎えます

- 超高齢社会における「住まい」と「介護」の連携を推進 -
安心・安全な住まい提案のための人材育成への取り組みも強化

セキスイオアシス株式会社(積水化学工業株式会社100%子会社)が運営する、『セキスイオアシスセンター』が今年11月で10年目を迎えます。
社名およびセンター名の「オアシス(OASIS)」は「Old Age Self-Independence System」の頭文字を取って命名されました。高齢者がいきいきと暮らせるように高齢者一人ひとりの自立を促す社会環境および住環境づくりを整備していく事業理念を名称に表現しています。

 

これまでの歩みと社会的背景

2004年に、愛知県名古屋市に高齢者の在宅介護サービス事業所として、デイサービス、居宅介護支援、訪問介護、訪問看護、福祉用具貸与・販売事業をスタートしました。現在は、高齢者の心身機能とニーズに合わせ、3種類のデイサービス(一般型・認知症対応型・介護予防型)を展開するとともに、2012年には主に認知症の利用者と家族のニーズに応えるために、小規模多機能型居宅介護事業を新たに導入し、宿泊サービスも提供しています。

国は、団塊世代が75歳以上となる2025年に向けて、高齢者が尊厳を保ちながら重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期までおくることができるように、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」が日常生活の場で、一体的に提供できる地域での体制「地域包括ケアシステム」づくりを推進しています。

セキスイオアシスセンターも、半径2キロ圏内をサービスエリアとして、地域密着型の包括ケアシステムづくりに取り組んできました。
現在は、積水化学工業 住宅カンパニーの新築事業を担う「セキスイハイム」、リフォーム事業を担う「セキスイファミエス」との連携を強化し、主にリフォームの営業担当者を対象として研修を実施する等、オアシスセンターで得られた知見を住宅事業に活かし、高齢期の安心で安全な生活を支える基盤である住まいを整備する取り組みを強化しています。

 

セキスイオアシスセンターの特徴

 

ESとCSを兼ねた多職種協働の在宅介護サービス事業を運営

 

国が目指す「地域包括ケアシステム」の実践

 

高齢期の3つのライフステージ(健康維持期~介護予防期~介護対応期)を支える基盤である

 

 

「住まい」と「介護」の連携を強化

 

多職種協働とPDCAの実践で質の高い介護サービスを提供

セキスイオアシスセンターは設立以来着実に利用者を拡大し、現在の延べ利用者数は年間約10,500名を越えています。度重なる介護保険報酬の改定にも柔軟に対応してきました。従業員数は47名で、ケアマネージャー、看護師、理学療法士、社会福祉士、介護士と多職種のメンバーで構成しています。「多職種協働」を掲げ、一人ひとりの利用者様の状態を各専門の視点で分析し、その情報を全職員で共有してサービス計画に活かすこと日々行っています。その効果測定として「機能的自立度評価表(※FIM)」の評価基準を尺度に、利用者様のADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)の改善を客観的に図り、PDCAを繰り返すことでサービスの質の向上を図っています。また、ESにも重点をおき、キャリアパスを明確にし定期的な面談を繰り返すことで、介護現場に携わる職員の自己実現に取り組んでいます。労働時間管理にも注力し、効率的なミーティング、帳票、カルテ管理法も取り入れています。

 

「地域包括ケアシステムづくり」に事業スタート時から着手

在院日数が短縮化されている現在、病院からの在宅復帰を調整する役割が求められています。オアシスセンターは事業開始当初より、在宅復帰調整に力を入れ地域の病院との連携を行っています。本人と家族の状況を十分に把握した上で、介護サービスのみならず、往診医や生活支援サービスなど地域の様々な資源との連携を図り、安心な自宅生活へのソフトランディングを行います。介護が必要になっても、住み慣れた地域に住み続けることは、本人の住み慣れた力を活かすことになり、結果、生活の質の向上につながります。

 

「住まい」と「介護」の連携を強化 - 介護現場の知見を住宅事業に生かす取組みへ

地域包括ケアシステムには、高齢期の安全な住まいは欠かせません。しかし、住環境が高齢者の要介護化を招いたり、家族の介護負担を高めたりするケースがあるのも現実です。そこで、住宅事業を主力事業とする積水化学工業の子会社である環境を活かし、介護現場のノウハウを住宅事業に活かす取組みについても強化しています。
その一つが、住まいを提案する人材の教育・研修事業です。特に、セキスイハイムにお住まいのお客様の平均世帯主年齢は現在60歳を超え、着実に高齢化しています。今後も健康を維持し介護を予防する住まいを提案するために、リフォームを担うセキスイファミエスの全国の営業担当者を中心に独自の研修プログラムを開発し、研修を推進しています。研修受講者には3日間に渡るプログラムで介護の現場を実体験してもらい、多様な高齢者の身体の動き、コミュニケーションの方法、生活の実態を見て感じ、自立支援とは何かを理解してもらう中で、高齢者本人の「いきがい」を高め、家族の介護負担を減らす住まいの提案力強化につなげます。修了者には社内認定資格として、『介護と住まいの相談員』資格が与えられます。修了者は、健康寿命は住まいによって左右されることから、安全な住まいに早めに整えることの重要性を顧客に伝え、将来を見越した住まいの提案が出来るようになります。今年度で受講生は320名を超えます。
セキスイオアシスセンターでは今後もこの研修を継続し、安心・安全に住まえる終のすみ家を提案できる人材の育成に力を注ぎます。超高齢社会において増え続ける医療・介護費用の抑制には、住まいが貢献すると考えます。セキスイオアシスセンターの介護現場の知見を住宅事業に活かし、超高齢社会における地域包括ケアシステムの実現と拡大に向けて、今後も取り組んでいきます。

 

 

(※)FIMとは、機能的自立度評価表(Functional Independence Measure)の略で、1983年にGrangerらによって開発されたADL評価法のことである。特に介護負担度の評価が可能であり、数あるADL評価法の中でも、最も信頼性と妥当性があると言われており、リハビリの分野などで幅広く活用されている。より細かな変化が捉えられるように7点(完全自立)から1点(全介助)までの7点法となっている。運動系の項目が13、認知系の項目が5で、認知系の項目が入っていることで、頭部外傷の患者の認知障害にも対応している。その場で何かの動作をさせて採点するのではなく、生活している状況のまま採点するのが特徴である。

 

 

 

<ご参考>

■セキスイオアシス株式会社

 

設   立

2004年4月1日

住   所

愛知県名古屋市瑞穂区豆田町3-11-2

資  本  金

20百万円

出資比率

積水化学100%

代  表  者

代表取締役 長田 学

売  上  高

253百万円(2012年度)

従  業  員

47名

事業内容

積水化学工業(株)住宅カンパニーの傘下で、介護保険制度に基づく在宅介護サービス事業、研修

 

 

事業を担う『セキスイオアシスセンター』を運営。2012年3月より、第2事業所『オアシス訪問看護ステ

 

 

ーション』を運営。

 

■セキスイオアシスセンター

開   業

2004年11月1日

住       所

愛知県名古屋市瑞穂区豆田町3-11-2

サービスエリア

名古屋市瑞穂区、昭和区の一部エリア

建       物

鉄骨造地上2階建て 840㎡

運営内容

セキスイオアシス株式会社の在宅介護サービス事業拠点。

 

 

サービス内容はデイサービス(一般型・認知症対応型・介護予防型)、居宅介護支援、訪問介護、

 

 

訪問看護、福祉用具貸与・販売、小規模多機能型居宅介護。名古屋市から二次予防事業を受託。

 

 

高齢期の安心・安全な住まいを提供するためのリフォーム・新築担当の人材教育・研修事業。

 

セキスイオアシスセンター

セキスイオアシスセンターセキスイオアシス ロゴ

 

 

 

オアシスセンターにおける介護予防型デイサービス

オアシスセンターにおける
介護予防型デイサービス

 

 

オアシスセンターにおける「介護現場体験研修」

オアシスセンターにおける「介護現場体験研修」
(福祉用具を体験しながら学ぶリフォーム営業担当)

 

 

 

「介護現場体験研修」

「介護現場体験研修」
(介護現場に立ち会い、利用者様の動きを実体験するリフォーム営業担当)